本尊五大明王
五大明王とは、五大尊・五大力・五忿怒とも称し、不動明王を中心として四方に位置する降三世明王(東)・軍荼利明王(南)・大威徳明王(西)・金剛夜叉明王(北)の総称であります。


不動明王
大威徳明王 金剛夜叉明王
軍荼利明王 降三世明王
常福寺本尊五大明王
五大明王とは、両界曼荼羅の中央に位置する、密教における最上級の仏様である五智如来(金剛界:大日如来を中心とする阿シュク如来(東)宝生如来(南)無量寿如来(西)不空成就如来(北)の五如来、胎蔵界:大日如来を中心とする宝幢如来(東)開敷華王如来(南)無量寿如来(西)天鼓雷音如来(北)の五如来)が、衆生教化の為に姿を忿怒形に変えられたものです(教令輪身といいます)。
明王は如来の真意を奉持し、霊的な力で悪を砕く役目を持っています。
つまり、如来は温和に正法を説くとされますが、煩悩の虜になった救いがたい者は明王がその憤怒の相をもって真っ向から対立し、正法に導くとされているのです。

当山本尊五大明王は、中央の不動明王が坐像で高さ七尺二寸(約220cm)台座を除いた高さは五尺八寸五分(約177cm)と伝えられております。
他の四明王のうち、降三世・軍荼利・金剛夜叉は立像、大威徳のみ牛背にあり、高さは五尺八寸五分ないし五尺九寸。手法・姿勢だけでなく面相の表現までも、誠によく弘仁期の精神を発揮した完全な作であると言われております。
不動明王のみならず五大明王を完備したこの期の仏像はきわめて少なく、大正四年には国宝に指定されております(現在は、国指定重要文化財)。
当山本尊は、弘仁期の精神を発揮した五大明王の傑作として大いに誇るべきものであり、創建以来今日に至るまで、法燈連綿たりとは言え、時に寺運隆替があったにも拘わらず、以前として完全な姿で存在していることは、誠に五大明王の威霊によるもの、ひいてはいにしえより紡がれてきた檀信徒の皆様の護持のたまものと言えるでしょう。

五大明王信仰はたいへん密教色が強く、ことに攘災招福の威光を強く持つと言われております。
明王のおおまかな特徴として、忿怒相、多面多臂多眼、様々な武器を手に執ること、火焔を背負うこと等が挙げられます(すべてにあてはまる訳でははありません)。

五大明王各尊について詳しく知りたい方は、上部のお名前かお姿をクリックしてみてください。各明王の説明ページに移動します。

五大明王安置のお寺は、他所では京都の教王護国寺(東寺)や大覚寺、醍醐寺等が有名です。


※ 当山本尊五大明王は秘仏であり、一年に三回だけ開帳されます。開帳日は” 年間行事 ”に掲載しておりますので、参考にされてください。




※ 平成十九年陽春に、常福寺本尊五代明王の絵葉書が完成いたしました。個人的に授与を希望されるかたは、−こちら−をご参考くださいませ。