名月や池をめぐりて夜もすがら
貞享三年(一六八六)四十三歳の作である
句意
名月に誘われ、月影の宿る池の回りをただ忘我の境地で、独り黙然といつま
でも歩き続けている。
其角ら数名の門人と芭蕉庵に会して、草庵で月見をした折の作といわれる。
孤影、月下の池辺を逍遥する物思う風雅人の趣きが見える。
「夜もすがら」は一晩中の意だが、時の経過を忘れる忘我の心を表している。
句碑
福島区鷺洲二 料亭富竹(移転?)
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