[か行]

[カッコーの巣の上で]:

1975年のアカデミー賞を独占した名作です。作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞(ジャック・ニコルソン:病院の中の革命児)、 主演女優賞(ルイーズ・フレッチャー:あの恐い看護婦)を受賞している。この映画はあまりにも現実を、あからさまに描いたのではないか と思う。これが現実かと思うと、人間の恐ろしさ、愚かさを見たような気がする。監督ミロス・フォアマン(あんまり知らない)が言ってい るように「この作品で私が描きたかったのは、体制告発でも精神病院の恐怖でもない。人間と、その存在の素晴らしさである。」の言葉通り、 「人間」について考えさせられる作品である。

総評としては、最後にインディアン患者がジャック・ニコルソンを窒息死させたが、その時のインディアン患者の気持ちには非常に考えさせられた と言うことで、85点というところでしょう!

[風と共に去りぬ]:

皆さん、この作品が「文部省特選」作品だったことはご存じですか?(その特選の意味がいまいちはっきりしませんが...)マーガレット・ミッチェルの小説 「風と共に去りぬ(Gone With The Wind)」の完全映画化されたものです。この当時(1939年:当然私も生まれていません!)の映画としては、スケールの大きさ、 撮影手法、編集手法はピカイチである。また長い映画であるが、時間を全く感じさせないストーリーの面白さ、その時々の感情描写が繊細に出来ており、特にビビアン・ リー演ずるスカーレット・オハラは、マッチし過ぎなくらいである。

総評は、はっきり言って感動した作品です。特にラストシーンの完全に頼るものを全て失ったスカーレットが、生まれ故郷のタラで、その故郷の「大きさ・優しさ」 に気づいて立ち直っていこうとするところで終わってしまうのは、何ともニクイ演出でした。と言うことで、ちょっと甘いけど95点!

[蒲田行進曲]:

つかこうへい原作の第86回直木賞受賞作品の映画化。それまではほとんど洋画以外は観なかった私が、「邦画にもこんなに面白い映画があるのか!」と感じた作品の 一つである。よく笑い、よく泣かせてくれる作品だ。ストーリーは、今やテレビ、映画で活躍中の松坂慶子(最近老けたけど)、風間杜夫(Xファイルで頑張っている)、平田満 (ドラマ、コマーシャルでよく見かける)の3人が織りなす人生ドラマである。風間杜夫演ずる銀四郎のキャラクター、松坂慶子演ずる小夏の女としての可愛さ、平田満演ずる ヤスの男の優しさと滑稽さがうまく絡み合い、メリハリのあるストーリー展開で大変面白かった。

何度観ても笑えて、感動出来る作品。やっぱり原作が良かったのかな?ということで、78点!

[キリング・フィールド]:

ベトナム戦争を扱った映画は沢山あるが、ほとんどが兵士やその仲間、または家族が主人公となる場合が多い。しかしこの作品は違う。一人のアメリカ人戦争ジャーナリストと カンボジア人の通訳との内戦という状況の中で生まれた友情を描いた作品である。しかもドキュメンタリータッチで描かれている。しかし、なぜ人は殺し合うのか?金か?利益か? 主義・主張か?人が人を殺す。何とも無意味で馬鹿げたことか。今もコソボでNATOとユーゴが戦争をしているが、何が生まれるのか?その生まれたものは、多くの犠牲を払ってまで 必要なものなのか? ああーー、やっぱり戦争映画はすっきりしないものが残りますね。

戦争映画の中でも、今までにあまりなかったストーリーの作品で、それなりに楽しめたので、62点!

[クレイマー・クレイマー]:

1979年のアカデミー賞5部門(作品、主演男優、助演女優、監督、脚色)を独占した感動の作品。ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリー(子役) の3人のすべての演技が余りにもリアルであった。「親子」「夫婦」「家庭」「子育て」について、これらの本当の姿って何なの?どこにあるの?という問いかけが至る所にみられた。 でも本当の姿なんて言葉で表せるものでもないし、形が決まったものでもないと思う。ただ間違いなくいえることは「結婚したから夫婦になるんじゃない、子供が出来たから親になるんじゃない、 年月と共にみんなが成長し、徐々に「夫婦」や「親子」になって「家庭」が作られていくものである」ということだと思う。

本当に涙、涙の感動作である。いつ観ても泣ける作品というのも少ないのでは? 98点!!!


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