芭蕉さんが三重で詠んだ句
   
年代 発句 季語 季節 場所
寛文6年(1666) とし ひと          わかえびす
年は人に とらせていつも 若夷
若夷 新年 伊賀上野
貞享2年(1685)   むこ  しだ もち        とし
誰が聟ぞ 歯朶に餅おふ うしの年
歯朶 新年 伊賀上野
元禄7年(1694) ほうらい きか いせ   はつだより     
蓬莱に聞ばや伊勢の初便
蓬莱 新年  
寛文4年(1664) うばざくら   ろうご  おも   いで      
姥桜 さくや老後の 思ひ出
姥桜 伊賀上野
寛文6年(1666) きょう くまん  くせん      はなみかな 
京は九万 九千くんじゆの 花見哉
花見 伊賀上野
寛文6年(1666) はな しづ           おにあざみ
花は賤の めにもみえけり 鬼薊
鬼薊 伊賀上野
寛文7年(1667) はな かお  はれ       おぼろづき
花の顔に 晴うてしてや 朧月
朧月 伊賀上野
寛文7年(1667) さかり   うめ   でひく  かぜ がな
盛なる 梅にす手引 風も哉
伊賀上野
寛文7年(1667)    こち   めんめん     やなぎがみ
あち東風や 面々さばき 柳髪
伊賀上野
寛文7年(1667) もちゆき    いと     やなぎかな
餅雪を しら糸となす 柳哉
伊賀上野
寛文7年(1667) はな      なげき       
花にあかぬ 嘆やこちの うたぶくろ
伊賀上野
寛文7年(1667) はるかぜ      わら   はな がな 
春風に 吹き出し笑ふ 花も哉
伊賀上野
寛文7年(1667)         そのくち    はな かぜ
なつちかし 其口たばへ 花の風
花の風 伊賀上野
寛文7年(1667) いとざくら           あし  
糸桜 こやかへるさの 足もつれ
糸桜 伊賀上野
寛文7年(1667) かぜふけ          いぬざくら
風吹ば 尾ぼそうなるや 犬桜
犬桜 伊賀上野
寛文11年(1671) はるたつ       しる      なは
春立と わらはも知や かざり縄
春立 
かざり縄
伊賀上野
寛文11年(1671)         ぢん   はおり はな
きてもみよ 甚べが羽織 花ごろも
花ごろも 伊賀上野
寛文年間 はな       せけんくち    かぜ
花にいやよ 世間口より 風のくち
 
寛文年間 うう  こと          ちござくら
植る事 子のごとくせよ 児桜
児桜 伊賀上野
貞享2年(1685)       みやこ ゆか  とも      
子の日しに 都へ行ん 友もがな
子の日 伊賀上野
貞享2年(1685)
たび     ふるす       なり
旅がらす 古巣はむめに 成にけり
古巣 
むめ
伊賀上野
貞享2年(1685)
はる         やま  うすがすみ  
春なれや 名もなき山の 薄霞
伊賀
貞享2年(1685)
やまぢ き   なに          ぐさ
山路来て 何やらゆかし すみれ草
すみれ  
貞享2年(1685) ふつか             はな  はる 
二日にも ぬかりはせじな 花の春
花の春 伊賀上野
貞享5年(1688) はる        ここのか  のやま 
春たちて まだ九日の 野山かな
春たち 伊賀上野
小川風麦亭 
貞享5年(1688)        こころ      うめ はな
あこくその 心もしらず 梅の花
梅の花 伊賀上野
貞享5年(1688) かれしば             いちにすん
枯芝や ややかげろふの 一二寸
かげろふ 伊賀
貞享5年(1688) てばな    おと   うめ      かな 
手鼻かむ 音さへ梅の さかり哉
伊賀
貞享5年(1688) うめ   き   なほ       うめ  はな
梅の木に 猶やどり木や 梅の花
梅の花 伊勢市 
網代民部雪堂亭
貞享5年(1688) かみ               あめ はな 
紙ぎぬの ぬるともをらん 雨の花
伊勢市
久保倉右近
(路通)亭
貞享5年(1688) このやま       つげ  ところほり 
此山の かなしさ告よ 野老掘
野老掘 伊勢市中村町
菩提山神宮寺
貞享5年(1688) さかづき どろ おと     つばめ 
盃に 泥な落しそ むら燕
伊勢市楠部町
貞享5年(1688) もの     まづ  あし      ば かな 
物の名を 先とふ蘆の わか葉哉
蘆のわか葉 伊勢市
貞享5年(1688)    うゑ  かど むぐら    ば かな  
いも植て 門は葎の わか葉哉
葎のわか葉 伊勢市
貞享5年(1688)         おくもの     きた うめ
のうれんの 奥物ぶかし 北の梅
伊勢市 
園女亭
貞享5年(1688) かみがき            ねはんざう
神垣や おもひもかけず 涅槃像
涅槃像 伊勢市
伊勢神宮
貞享5年(1688)   おこらご    ひと  ゆか  うめ はな
御子良子の 一もと床し 梅の花
梅の花 伊勢市
伊勢神宮
貞享5年(1688) なん     はな      にほひかな
何の木の 花とはしらず 匂哉
伊勢市
伊勢神宮
貞享5年(1688)           きさらぎ      かな
はだかには まだ衣更着の あらし哉
衣更着 伊勢市
貞享5年(1688) はつざくら おり       よきひ       
初桜 折しもけふは 能日なり
初桜 伊賀上野
貞享5年(1688) ぢゃうろく       たか  いし  うえ
丈六に かげろふ高し 石の上
かげろふ 伊賀市
新大仏寺
貞享5年(1688)              おか  うめ
香ににほへ うにほる岡の 梅のはな
梅のはな 伊賀上野
貞享5年(1688)         こと       さくら
さまざまの 事おもひ出す 桜かな
伊賀上野
藤堂良長
(探丸)別邸
貞享5年(1688) はな              
花をやどに はじめをはりや はつかほど
伊賀上野
瓢竹庵
貞享5年(1688)         はな れい        かな 
このほどを 花に礼いふ わかれ哉
伊賀上野
元禄2年(1689)         うしほ はな  うら   はる
うたがふな 潮の花も 浦の春
浦の春 伊勢市
元禄3年(1690)         かさ       つばきかな
うぐひすの 笠おとしたる 椿哉
椿 伊賀上野 
西島百歳邸
元禄3年(1690)        しる なます  さくら   
木のもとに 汁も鱠も 桜かな
伊賀上野
小川風麦亭
元禄3年(1690) はたけうつ おと          あさ 
畑打 音やあらしの さくら麻
畑打 伊賀上野
白髭神社
元禄3年(1690)         さいこ  いと  うすぐもり
かげろふや 柴胡の糸の 薄曇
かげろふ 伊賀上野
元禄3年(1690) どて   まつ はな こぶか   とのづく  
土手の松 花や木深き 殿造り
伊賀上野
藤堂長定
(橋木)邸
元禄3年(1690)        まめ          がり 
似あはしや 豆の粉めしに さくら狩
さくら狩 伊賀上野
元禄3年(1690) はるさめ            なすびだね
春雨や ふた葉にもゆる 茄子種
春雨 伊賀上野
元禄3年(1690) この      
此たねと おもひこなさじ とうがらし
たね 伊賀上野
元禄3年(1690) たねいも  はな       うり  
種芋や 花のさかりに 売りありく
種芋 伊賀上野
元禄3年(1690) ひとさと      はなもり  しそん 
一里は みな花守の 子孫かや
花守 伊賀上野
元禄3年(1690) へび     き         きじ  こえ
蛇くふと 聞けばおそろし 雉の声
 
元禄3年(1690)        なか  ひやうし   きじ  こえ
ひばりなく 中の拍子や 雉子の声
ひばり  
元禄3年(1690)        いくたび     へい     
てふの羽の 幾度越ゆる 塀のやね
てふ 伊賀上野
原田覚右衛門

元禄4年(1691)              おそ  うめ  はな
竄ワざとは まんざい遅し 梅の花
梅の花 伊賀上野
藤堂長定
(橋木)邸
元禄4年(1691) つきまち  うめ    ゆく  こやまぶし
月待や 梅かたげ行 小山伏
伊賀上野
貝増市兵衛
(卓袋)宅
元禄4年(1691) ぶしょう      おこ     はる あめ
不性さや かき起されし 春の雨
春の雨 伊賀上野
松尾半左衛門宅
元禄4年(1691) やまぶ    かさ さす    えだ 
山吹きや 笠に指べき 枝の形リ
山吹き 伊賀上野
松尾半左衛門宅
元禄4年(1691)         はないけ     にしやうだる
のミあけて 花生にせん 二升樽
伊賀上野
元禄4年(1691)        さくら      はな  
としどしや 桜をこやす 花のちり
花のちり 伊賀上野
寛文6年(1666) さみだれ     おんものどほ つき かほ  
五月雨に 御物遠や 月の顔
五月雨 伊賀上野
寛文6年(1666) かきつばた          みず かげ  
杜若 にたりやにたり 水の影
杜若 伊賀上野
寛文6年(1666) ゆふがお          み      
夕顔に みとるるや身も うかりひよん
夕顔 伊賀上野
寛文6年(1666) いはつつじ そむ なみだ       しゅ
岩躑躅 染る涙や ほととぎ朱
ほととぎ朱 伊賀上野
寛文6年(1666)                    せんねん 
しばしまも まつやほととぎす 千年
ほととぎす 伊賀上野
寛文12年(1672)    こだち       やま    
なつ木立 はくやみ山の こしふさげ
なつ木立 伊賀上野
寛文12年(1672)        その   うり  きさき  
うつくしき 其ひめ瓜や 后ざね
ひめ瓜 伊賀上野
寛文年間         しづく     ささ  つゆ  
たかうなや 雫もよよの 篠の露
たかうな 伊賀上野
延宝4年(1676) ふじ   かぜ  おうぎ      えどみやげ   
富士の風や 扇にのせて 江戸土産
伊賀上野
延宝4年(1676) ひゃくり き        くもい   したすずみ  
百里来たり ほどは雲井の 下涼
伊賀上野
元禄4年(1691)   われ                 
うき我を さびしがらせよ かんこどり
かんこどり  
元禄7年(1694) すず     すぐ のまつ   えだ なり
涼しさや 直に野松の 枝の形
涼し 伊賀上野
広岡七郎右衛門
元禄7年(1694) しばつけ  うま       たうゑだる   
柴附し 馬のもどりや 田植樽
田植 伊賀上野
窪田惣七郎
寛文3年(1663) つき            いら  たび やど 
月ぞしるべ こなたへ入せ 旅の宿
伊賀上野
寛文6年(1666) あきかぜ  やりど  くち       
秋風の 鑓戸の口や とがりごゑ
秋風 伊賀上野
寛文6年(1666) たなばた             うちゅうてん  
七夕の あはぬこころや 雨中天
七夕 伊賀上野
寛文6年(1666)         すめ みやこ      つき 
たんだすめ 住ば都ぞ けふの月
けふの月 伊賀上野
寛文6年(1666) かげ あめ   した  ひめ   つき
影は天の 下てる姫か 月のかほ
伊賀上野
寛文6年(1666) をぎ こえ    あきかぜ  くち   
荻の声 こや秋風の 口うつし
伊賀上野
寛文6年(1666)    はぎ   ようがんぶれい はな かお
寝たる萩や 容顔無礼 花の顔
伊賀上野
寛文9年(1669)     おとこ          あめ つき
かつら男 すまずなりけり 雨の月
雨の月 伊賀上野
寛文11年(1671)    じか             け  
女をと鹿や 毛に毛がそろふて 毛むつかし
鹿 伊賀上野
寛文年間    われ      ばかり  をみなへし   
見るに我も おれる計ぞ 女郎花
女郎花 伊賀上野
寛文年間   かげ     かた    よひつきよ  
見る影や まだ片なりも 宵月夜
宵月夜 伊賀上野
寛文年間      こよい    とき     つきみかな
けふの今宵 寝る時もなき 月見哉
月見 伊賀上野
延宝4年(1676) ながむ  @えど          やま つき
詠るや 江戸にはまれな 山の月
 
天和4年(1684)     つき        すぎ  だく  
みそか月なし 千とせの杉を 抱くあらし
伊勢市
伊勢神宮
天和4年(1684) いもあら をんな さいぎゃう    うた      
芋洗ふ女 西行ならば 哥よまむ
芋洗ふ 伊勢市
天和4年(1684) らん         つばさ    もの    
蘭の香や てふの翅に たき物す
伊勢市
天和4年(1684) つたうゑ   たけしごほん       かな
蔦植て 竹四五本の あらし哉
伊勢市
天和4年(1684)         きえ           あき しも 
手にとらば 消んなみだぞあつき 秋の霜
秋の霜 伊賀上野
元禄2年(1689) つき    あけち  つま   はな     
月さびよ 明智が妻の 咄しせん
伊勢市
元禄2年(1689) とうと   みな        ごせんぐう 
尊さに 皆おしあひぬ 御遷宮
御遷宮 伊勢市 
伊勢神宮
元禄2年(1689) あき かぜ いせ   はかはら なほ   
秋の風 伊勢の墓原 猶すごし
秋の風 伊勢市中村町
元禄2年(1689) すずり   ひろ        いし つゆ 
硯かと 拾ふやくぼき 石の露
伊勢市二見町
元禄2年(1689) もん            らん      かな
門に入れば そてつに蘭の にほひ哉
伊勢市
裏口町山名裏
元禄4年(1691) あきかぜ       あお  くり   
秋風の ふけども青し 栗のいが
秋風  
元禄7年(1694) いえ     つゑ      はかまゐり
家はみな 杖にしら髪の 墓参
墓参 伊賀上野
松尾半左衛門
元禄7年(1694) かず              たままつ    
数ならぬ 身となおもひそ 玉祭り
玉祭り 伊賀上野
松尾半左衛門
元禄7年(1694)         やみ かたゆく ごゐ  こえ 
いなづまや 闇の方行 五位の声
いなづま 伊賀上野
窪田惣七郎
元禄7年(1694) かぜいろ       うゑ  にわ はぎ      
風色や しどろに植し 庭の萩
伊賀上野
藤堂玄虎邸
元禄7年(1694) さと     かき       いえ     
里ふりて 柿の木もたぬ 家もなし
伊賀上野
片野新蔵(望翠)亭
元禄7年(1694) めいげつ  ふもと きり             
名月に 麓の霧や 田のくもり
名月 霧 伊賀上野
無名庵
元禄7年(1694) めいげつ  はな      わたばたけ      
名月の 花かと見へて 棉畠
名月 伊賀上野
無名庵
元禄7年(1694) こよひたれ      つき  じゅうろくり     
今宵誰 よし野の月も 十六里
月 今宵 伊賀上野
無名庵
元禄7年(1694)    たけ                    
まつ茸や しらぬ木の葉の へばりつく
まつ茸 伊賀上野
元禄7年(1694) そば      はな        やまぢ  
蕎麦はまだ 花でもてなす 山路かな
蕎麦 伊賀上野
元禄7年(1694) しんわら   でそめ       しぐれかな  
新藁の 出初てはやき 時雨哉
新藁 伊賀上野
元禄7年(1694) ゆく      て         くり   
行あきや 手をひろげたる 栗のいが
行あき 毬栗 伊賀上野
元禄7年(1694) かお         いで     さくら   
顔に似ぬ ほつ句も出よ はつ桜
はつ桜 伊賀上野
元禄7年(1694) とうがん              かお なり   
冬瓜や たがいにかはる 顔の形
冬瓜 伊賀上野
寛文6年(1666) つき かがみ こはる       めしょうがつ     
月の鏡 小春にみるや 目正月
小春
伊賀上野
寛文6年(1666) しぐれ              まつ ゆき 
時雨をや もどかしがりて 松の雪
伊賀上野
寛文6年(1666)           よ         ゆき  たけ
しほれふすや 世はさかさまの 雪の竹
伊賀上野
寛文6年(1666) しもがれ  さく  しんき   はなのかな    
霜枯に 咲は辛気の 花野哉
霜枯 伊賀上野
寛文6年(1666) あられ    かたびらゆき        
霰まじる 帷子雪は こもんかな
伊賀上野
寛文8年(1668) なみ はな  ゆき  みず      はな    
波の花と 雪もや水に かえり花
伊賀上野
天和4年(1684) みやもり            このはがは    
宮守よ わが名をちらせ 木葉川
木葉 桑名市多度
天和4年(1684)         おと あられ  ひのきがさ
いかめしき 音や霰の 檜木笠
桑名市多度
天和4年(1684) ふゆぼたん ちどり  ゆき       
冬牡丹 千鳥よ雪の ほととぎす
冬牡丹 桑名市北寺町
天和4年(1684) あけ        うお       いっすん   
明ぼのや しら魚しろきこと 一寸
しら魚 一寸 桑名市
天和4年(1684)         ふくつり     しちりまで    
あそび来ぬ 鰒釣かねて 七里迄
桑名市
天和4年(1684) としくれ   かさ  わらぢ         
年暮ぬ 笠きて草鞋 はきながら
年暮 伊賀上野
貞享4年(1687) ふるさと  へそ    なく     くれ
旧里や 臍の緒に泣 としの暮
としの暮 伊賀上野
貞享5年(1688) みなおが  ふたみ  しめ        くれ
皆拝め 二見の七五三を としの暮
としの暮 伊勢市二見町
元禄2年(1689) はつ    さる  こみの      なり
初しぐれ 猿も小蓑を ほしげ也
初しぐれ 伊勢から伊賀へ
帰る山中
元禄2年(1689) ひとびと            さむ   
人々を しぐれよやどは 寒くとも
しぐれ 伊賀上野
配力亭
元禄2年(1689) ふゆにわ  つき           ぎん 
冬庭や 月もいとなる むしの吟
冬庭 伊賀上野
元禄2年(1689) ゆき  なか  うさぎ かわ  ひげつく    
雪の中に 兎の皮の 髭作れ
雪の中 伊賀上野
元禄2年(1689)       はしり      たまあられ  
いざ子ども 走ありかむ 玉霰
玉霰 伊賀上野
友田角左衛門亭
元禄3年(1690)          しんかぶ  くろ   
しぐるるや 田の新株の 黒むほど
しぐれ 伊賀上野
元禄3年(1690)             ね         かな
きりぎりす わすれ音になく こたつ哉
こたつ 伊賀上野
松本長右衛門宅
貞享4年(1687) かち      つえ   さか   らくばかな  
歩行ならば 杖つき坂を 落馬哉
無季   四日市市
采女町
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