半導体の基礎
1、半導体(SEMICONDUCTOR) 半導体とは金属のように電流をよく通す良導体と電流を通さない絶縁体の中間的な物質である。 金属は豊富な自由電子を持ち電界をかけるとこれが移動するが 絶縁体ではこの電子が原子核と強く結合しているの導電性を示さない。 半導体は絶縁体より電子と原子核の結びつきが弱く 熱エネルギーによって結合が断ち切られ自由電子となり電気伝導の役目をする。 半導体物質として ガリウム、シリコン、ゲルマニュウム、セレン、酸化チタン等が知れられいる。 性質としては @ 温度が上昇するに従って抵抗値が減少する。 A 半導体に不純物が混入すると抵抗率が低下する。 N型半導体…たとえば半導体であるシリコンにごくわずかのアンチモンを不純物として混ぜるとN型半導体ができる。これはシリコンの価電子が4個に対しアンチモンの価電子は5個であるので結合できない価電子が1個余ってしまう。よって全体としては正孔より負(NEGATIV)の電気をもつ自由電子が多くなることになる。このような不純物半導体をNEGATIVの頭文字をとってN型半導体という。 P型半導体…シリコンにインジウムを不純物として混ぜるとP型半導体ができる。これはシリコンの価電子が4個に対しインジウムの価電子が3個であるので 結合するには価電子が1個不足する。この不足が正孔となり 全体として自由電子より正(POSITIVE)の正孔が多くなる。このような不純物半導体をP型半導体という。 2、ダイオード(DIODE) ダイオードとは2つの電極という意味である。
電極の一方がアノード(プラス極、A) 他方がカソード(マイナス極、K)と呼ばれている。 一般にダイオードといえばPN接合ダイオードを指す。FIG−1のようにP型領域(アノード)をプラス、N型領域(カソード)をマイナスに電圧をかけると(順方向電圧)P型領域の正孔がが接合面を越えてN型領域へ、またN型領域の電子が接合面を越えてP型領域に移動し電流が流れる。反対に電圧をかけると電流は流れない。これがダイオードの第一の特色 整流作用である。 しかし逆電圧を徐々に大きくしていくと突然電流が流れ始め著しく増加する現象がみられる。この現象を降伏現象といいで電流が流れ始める電圧をツェナー電圧という。この現象を利用したダイオードがツェナーダイオードまたは定電圧ダイオードと呼ばれている。 |