伊賀袴

伊賀荒木白髭大明神ノ相殿ニ座(まします)葛城ノ襲津彦(そつひこ)ハ武内ノ御子ナリ

伊美(いみじき)武士ニテ有ケルヲ此相殿ニ定ラレケルニ 後三条ノ御位ニマシマセシ時

鹿皮ニテ拵(こしらえ)タル革袴ヲ余多(あまた)夢中ニ此神授給(さずけたま)ヒシニ

御猟ノ時ニ鷹部ノ者ヲメサレテ著(き)セシメラレケレバ 其業(わざ)ヨカリシヨリ其拵ノ

如ク荒木ノ里人ニ拵サセラレ終ニ貢ト成シナリ 尓(それ)ヨリ伊賀袴トテ今ニ御猟ニ用

ラルル事也 是モ帝ノ位ノ深キ故トゾ


荒木神社にお祭りしている
  葛城襲津彦(かつらぎのそつひこ)と言う武勇の誉高い神様が
  後三条天皇の夢枕に立ち 革製の袴を献上した
  その袴を家来に着せて鷹狩に出たところ 家来が良く働いたので
  荒木の里人に同じものを作らせ献上させた 
  それより伊賀袴といって猟の時用いられるようになった