上野市への大学誘致について

 私は4点について「NO」の、最終決断を持っていました。@(仮称)伊賀市構想の中で、名張市も含めて合併論議が進んでいる(富永体制では不可能だったが)。仮に合併した場合、ひとつの自治体に二つの大学があるのは、重荷以外の何物でもない。A3年半前から、行政側と大学側が協議をしてきたとの報告である。総務財政常任委員会で、委員から新都市の高等教育ゾーンについて質問をしていたにもかかわらず、何ら答弁がなかった。これは、全くの議会、委員会無視であり、総務財政常任委員会全員が反対と言っている根拠でもある。Bいわゆる、入り口、出口の問題である。高等学校進学関係の先生の感触から見れば、福祉、理学療法系大学について7割が期待していない。その理由は、出口の狭さにある、と言う。今後3年先までは需要が見込まれる(第1次需要期)が、その後15年先まで見込めない。これは需給のバランスである。平成19年に初めて卒業生を出す大学としては、調査を全くやっていない、と見る。上野市、あるいは伊賀全域の介護福祉関係職員に尋ねても、就職関係については誠に厳しい返事が返ってきている。
C30億円近い公金使用は、将来の上野市の財政上、圧迫となることは必至である。(仮称)伊賀市構想進展中の今、上野市は周辺市町村の動きを注視しながら、静かに見守っているのが得策と考える。
☆上野市は「産学住憩」をコンセプトに、新都市開発に市税49億円を含め、500億円を投入した大プロジェクトをほぼ完成させました。上野市はもとより、伊賀にとっても県にとっても大きなメリットがあると共に、産業用地(クリエートランド)に企業立地された、ロート製薬、東洋エアゾール、朝日ナショナル照明、ロックペイント、東洋ペイントをはじめとして、地元の上野ガス、中外医薬生産、伊賀越、エステートケミカルなど計り知れない功績を残しています。そのコンセプトの一環として、新都市に高等教育機関を誘致することは、市民の大半が理解してくれると思っている。しかし、今回の金城大学誘致については疑念が残ります。 その@大学経営者のトップである理事長に私が「上野にお越し頂くことは誠にありがたいことですが、その一番の理由は何ですか」とお尋ねした時、「○○教授に勧められたから」との答えだった。嘘でもいいから、違う答え方がほしかった。熱意がほしかった。そのA上野市の財政投入が新都市で49億円に比して、この大学に約30億円(含金利)は大きすぎる。当該自治体の生産人口1人当たり5万円が全国の相場である。そのB名張市を含めた市町村合併が現実味を帯びてきた今、上野市単独で大学問題を議論する時期でない。まして合併した場合、2つの大学は自治体として重荷過ぎる。そのC看護福祉系、理学療法4年生大学の出入り口の問題がある。まず入り口であるが、上野市周辺に良く似た系統の大学が、今後の建設計画も含めると名張、鈴鹿、津、滋賀、名張、橿原、天理などで、交通アクセスが近鉄沿線に集中している。危険な名阪国道を利用させて通学するようなことは、避けたほうが良い、アパートも高い。1学年看護80人、理学療法60人、計140人は至難の技である。出口の問題もある。介護保険導入前から看護福祉系は不足していた。今後3〜4年先までは需要が見込まれる。しかし、それ以降急激に需要が減る。大学ができたとしても、卒業生が1期生として社会に出るのは平成19年である。ほとんど需要は見込めない時期である、現場の担当者も声をそろえる。次の需要期は15年先となる。そのD議会内の問題であるが、3年半前に行政がこの大学と折衝しているにもかかわらず、新都市を審議する「総務財政常任委員会」で、委員からの高等教育機関の質問に何ら答えなかったことが、委員会委員すべてを不賛同にした。行政の説明責任が問われる問題でもある。以上が私の意見であります。


上野市への大学誘致に関する意見交換会
     アンケート結果 

                               平成14年4月24日午後7時  交流センター
                                             
司会者 
大変疲れのところありがとうございます。もう少し市民のコンセンサスが必要と考え、有志議員が取り組んでいます。ご忌憚のない意見をいただきたい。
世話人代表 K氏
@本日の趣旨としましては、市長、学校理事長の皆さんをお呼びしてはどうか、また賛否を別にして、意見交換会を行ってはどうか、反対の意見ばかりではいかがなものか、という第一回目の意見を基に進めさせていただきます。
A6月議会の関係で、六月までが限度であると考えます、したがって市内全域五カ所程度で意見交換会を計画しています。第三回目は5月9日に商工会議所大ホールで行う予定であります。

市長
@上野新都市計画(産学住憩)、上野市総合計画の位置づけによって、誘致活動を進めてまいりました。協栄大学の時は、教授の否定的意見により断念をせざるを得なかった。地元岡森教授のご紹介で話が進んでいます。
A誘致交渉をする最初の段階では、金城大学は美術系大学の予定であったが、医療福祉系ならいいよというお話しの下に現在進めている段階です。
B学校法人は金もうけではありません。平成十六年四月開校に向けて、今年十四年より諸準備が必要となります。
C三月議会に4.5億円の土地取得費用を予算提出をしたが、予算執行を議会で保留している。

加藤理事長
@石川県金沢市に本部を構えている金城大学からまいりました。学校は歴史が深く、理事長は私で三代目である。
私の時に幼稚園教育と、短期大学を立ち上げ、金城大学もオープンしました。
A三年半前に、上野に大学をつくらないか、というお勧めを市長よりいただいている。その間、どうしたら間違いなく学生が集まるか、コンサルを含めて議論を行った。理学療法と福祉看護系の学校なら大丈夫だという結論に達した。金をかけて作る大学は考えていない。苦しいけれど何とかなると思っている。
B教育は人である。人づくりに努力を重ね、日本一の大学をこの上野市に作りたい.

N議員
@大学誘致の時期ではない。財政問題や少子化の時代や、地の利が悪い。急がないで条件整備を進めることが大切である。それから誘致すべきである。

M議員
@もう少し早い時期から、行政としても提案を行うべきであった。下水道、学校、福祉など重要な施策が待っている。市民のコンセンサスを取ってからでいいと思う。

Y議員
@予算委員長としての立場から意見をいえなかった。町の熟成のため、医療関係の充実のためにも、大学を誘致することは必要と考える。 大変期待を寄せている。

H議員
@葛原さんから資料を作れとのことで、作ってきました。金額的なものが出たのは今年2月の段階だった。平成三十年まで毎年2億円づつ払わなくてはならない。大学運営はこれから大変な時代である。

K議員
@議会では留保に賛成した。書記の立場上、主に意見を聞かせていただく立場でお願いします。

桑町 F氏
@心配だ。巨額の予算執行は大丈夫か。岐阜、名古屋でも現存大学が必死で運営に取り組んでいる。行政で情勢を分析しているのか。どこが窓口となって、取り組んでいるのか。市民の税金を使ってやる以上、責任を持ってやってくれるのか。市民に安心してくれと言えるような行政説明が必要だ。

桑町 T氏
@コンサルタントで学生が集まるとの理事長の説明だが、根拠はどこにあるのか。近隣には類似の大学がたくさんある。通学方法も問題だ。就職先についても、医療保険の改正等で非常に狭くなってきています。どう考えるのか。

理事長
@まだ正確な数値は出ていません。これからの課題だと考えます。専門生から大学生にシフトが変わってきている。

桑町 T氏
@おかしい、スエーデン型ならいいが、現在では問題が多すぎる。パートをほしがる病院に変わってきています。

H氏
@職人要請の大学が必要だ。財政的に困窮している。

H議員
@理学療養の需要は非常に少ない。マーケテイングされていない。名古屋周辺での大学のキャパが少ない。

理事長
@全体として、どれくらいの人が来るかは報告を受けています。

H議員
@28.5億円の寄付金だからマーケテイングをきちんとすべきである。

岡森教授
@理事長に報告している。他の大学と違う、地域の専門大学と考えてほしい。社協と大学の連携を重要視したい。
上野市の社協はトップクラスにある。理学療法の定員が少ないと、経営が成り立たない、他の大学とは違う。
全国の大学を調べた、広島の呉市の大学です、高度医療でなく、地域と一体となる大学です。

司会
@大学誘致より、財政的におかしいのではないか、金銭面から聞かせてほしい。

桑町 K氏
@どこから財政的に対応するのか。名張に大学があり、上野という交通の不便な場所にどうして誘致するのか。
企業的体質を持っているのか。

@10年前に住みました。半々ならまだしも、28.5と11億はおかしい。お願いして来てもらうからというのはおかしい。
A小中学校のほうが大切だ。

K氏
@決定権は市長持っているのですか。決定権は市民にあるのか。市民が反対したらできないのか。どこまで参加できるのか。何回やっても一緒や。

市長
@二十世紀は開発優先の時代でした、国の財政計画によって起債発行を行います。21世紀に入り環境、人権、福祉などソフト分野が主流となっている。上野市は二百五十億程度の一般会計であり、一定の財源は確保できる。議会を経て行政執行できます。立法、行政と独立分離しています。提案権と議決権があり議会制民主主義はこうした道筋になっています。

司会
@市長としてはどう考えるのか、お答えください。

K氏
@市長も選挙に落ちたら、将来のことは責任もてないのではないか。

K議員
@新都市が50億です。30億の血税は上野市にとってあまりに大きすぎる。一人5万円ですよ。

司会
@市長や理事長の本心を聞かせてもらいたい。

桑町 T氏
@大学問題は知らなかった、このまま進むと大変だと思う。助役収入役は現地の大学をした成果を市長に報告しているのか。
A忍者のまちは城下町でもあり、市民のコンセンサスはなかなか難しい。大学側は、上野市を恨まないようにしていただきたい。

ハイツ芭蕉 N氏
@大学設置は三年半かかって計画されたのだから、三年半待ってほしい。市は過去に二回倒産している。二十八億五千万をどう見ているのか。大学に帰って再度検討してもらいたい。一回目のアンケートの返事はどうなったのか、これが答えだという返事をしてほしい。

K議員
@今日の分と合わせて答弁なり、返事をさせていただきたい。

ゆめが丘 T氏
@市長と理事長にお尋ねしたい。補助金の28.5億が1円でも少なかったら撤退するのか。市長は金の責任をとれるのか。大学の長期計画を見れば、四年間赤字となっている、これは学生の定員が満席の場合のことである。経営が行き詰まったときどうするのか、早稲田大学すら大変な事態にあっているのだ。

理事長
@話は誇張しすぎているように思う。補助金一円でも欠けたら撤退だというのはおかしい。

K議員
@議事録に記載のとおりであり、正確な話です。

司会
@市長が誘致した方だから市長の決意を述べてほしい。

市長
@審議いただく時間が少なかったのは反省している。平成十六年四月開校の理由により逆算すれば、時間が少なかった。以前話はあったが、その後空間があった。これは交渉事である、県内十三市の中で桑名市と上野市のみ大学はない。財政的な基金はあるが基金は基金である。十三年度で制度が切れる地域総合整備債(地総債)の問題もあり、3月議会に提案した。この集会の意味は解る。赤字再建の状態ではないが、だめだと言うのなら、この話は先延ばしということになる。大学の立場もあるが白紙ということにもなる。

司会
@わかる人も、わからん人もいると思うが、結論のタイムリミットが4月いっぱいならいいと言うが、大学としてどう思うのか。タイムリミットをどう考えているのか。

理事長
@これならいけると確信した、16年以降は別の問題である。白紙に戻す。タイムリミットは4月いっぱいに来ている。

司会
@議会として賛否両論ある、行き先が見えてきたように思う。長時間ありがとうございました。

K議員
理事長、市長ありがとうございました。

不明
@ちょっと、賛成議員に聞いてほしい、ケーブルテレビを見れば解るというのは実におかしい。国保の滞納6億1800万、市税の滞納四億、市営住宅の滞納3分の2あると聞く。どうなっているのか・・・

M司会
@時間の関係で終了させていただきます。