環境負荷軽減と資源循環型社会をめざして
RDF化及びRDF利用の推進について
ーーー 国 家 予 算 要 望 ーーー
 今日、地球温暖化、酸性雨等、地球規模での環境問題が世界的な関心を集め、廃棄物処理の分野では、適正な処理と環境負荷の軽減、ゴミの持つエネルギーの有効活用が大きな課題となっています。
 こうした中、可燃性廃棄物のRDF化及びその利活用は、二酸化炭素やダイオキシン類の排出抑制をはじめとする環境への負荷の少ない廃棄物処理の方法として、また資源循環型社会を構築するための方策として注目されております。
 「RDF全国自治体会議」は、21世紀に向けて廃棄物の適正な処理と資源としての有効利用を図るため、RDF化を検討して行くこととしておりますが、RDFの利用
推進に当たっては、各種法規制、経済性の確保、技術開発など様々な課題などを抱えているのが現状です。
 資源循環型社会を目指し、RDF化を中心とする新たな社会システムづくりのためには、これらの課題等をひとつひとつ解決していく取組みが必要です。
 国におかれても、このような主旨を十分に御理解いただき、RDF化及びその利活用の促進に向けて、各種支援措置の創設、有効利用・適正利用のための各種規制の緩和・創設、信頼できる技術開発等に格段の御配慮をいただくよう要望します。
      平成9年7月
     RDF全国自治体会議
  会長   三重県知事                  北川 正恭
       岩手県知事                  増田 寛也
       栃木県知事                  渡辺 文雄
       津久見市長                  岩崎 恭也
       と波広域圏事務組合管理者と波市長       岡部 昇栄
       桑名広域圏事務組合管理者桑名市長       水谷  元
       愛知郡広域行政組合管理者泰荘町長       北川 眞道
          外   17県   64市町村・一部事務
    「要望項目」


(厚生省関係)
1  RDF利用汎用小型ボイラに対する助成制度の創設について
   RDFの利用は、できるかぎり大規模・集中化することが、利用の効率化、環境負荷軽減の面から望ましいが、地域 の公共エネルギーとして有効活用する視点も重要である。
   このような域内利用のために、ダイオキシン発生抑制等公害防除設備を備え、且つ容易に取扱える汎用的な小型RDF燃焼ボイラーの導入が必要となる。この小型固形燃料ボイラーは、液体燃料ボイラーに比べ、高額なものとなり、RDFの利用推進を阻む一因となっている。
   小規模RDF利用施設を、廃棄物処理施設に準じる扱いとしていただき、これに対する助成制度を創設されたい。
2  RDF化施設の構造指針化について
   一般廃棄物のRDF化処理は、今後、環境負荷を軽減する廃棄物処理方法として普及する傾向にあり、産業界においても多くの企業がRDFプラントの製造に参入を表明している。
   しかし、その施設としての基準は、未だ確立されておらず、個々にその審査が行われるのが現状である。
3  RDFの輸送・貯蔵施設に対する補助制度の創設について
   RDFは、一般廃棄物を輸送・貯蔵しやすい形状に加工することにより、エネルギーとして利用することを可能にする物であり、広域的な利活用が前提となっている。
   RDFのこのような性状を十二分に活かすには、市町村、県における輸送・貯蔵施設が不可欠である。
   そこで、これら施設を、廃棄物としてのRDFの処理に係る補完機能として位置づけ、補助制度を創設されたい。
4  RDFの輸送・焼却・灰処理に対する法的手続きの簡素化について
   RDFは、有償で取引できない場合が多く、一般廃棄物としての取扱いを受けざるを得ない状況にある。
   一般廃棄物が市町村の圏域を越えて移動する場合には、現行制度上各種の規制が存在する。
   RDFの製造、燃焼利用、燃焼後の焼却灰の処理に対する法的手続きの規制緩和がその利用価値を高めるうえで、不可欠であることから、国において早急にこの簡素化に取り組まれたい。
5  RDFのセメント燃原料等への利用促進について
   RDFのリサイクルとして、セメント燃原料等への利用に向けたシステム構築、技術開発、支援措置創設に取り組まれたい。
6  RDF燃焼後の灰処理・利用技術の開発について
   RDF燃焼後の灰処理の段階からダイオキシン類、貴金属などの無害化処理と、有効利用を視野に入れた処理方法、有効利用技術の開発について、国においても御努力いただきたい。
   RDF利用社会においては、小規模に分散した、焼却灰の発生も想定され、広域的な適正処理が求められる。こうした広域処理体制の確立に向けた支援策の創設についてもお願いする。
7  県が行うRDF燃焼施設に対する補助制度及び交付税措置の創設について
   二酸化炭素やダイオキシン類削減対策上、RDF化は非常に有効な方法として、位置づけられておりますが、製造されたRDFを適正且つ有効に処理する方法として、広域RDF発電施設があります。
   そして、広域RDF発電の担い手として、県(公営企業)等が考えられますが、その財政負担は課題になるものと試算されていますことから、この広域RDF発電施設に一体的に設置される燃焼施設を、広域廃棄物処理施設と位置づけ、市町村の廃棄物処理施設に対するものと同様の補助制度、交付税措置を講じられたい。
8  広域RDF発電施設の立地周辺整備に対する支援措置の創設について
   広域RDF発電施設の立地については、その立地周辺地域を、環境に係る啓発や、コミュニティ形成に資する施設整備等を行い、円滑な立地の推進と、環境行政に対する住民の理解を得る場として機能させるため、立地市町村へのインセンティブが必要と考える。 
   発電の周辺施設整備に対する支援制度の創設、リサイクルタウン事業の拡充措置等をとられたい。


(通商産業省関係)
1  RDF利用汎用小型ボイラの技術開発支援について 
   RDFの利用は、できるかぎり大規模・集中化することが、利用の効率化、環境負荷軽減の面から望ましいが、地域の公共エネルギーとして有効活用する視点も重要である。
   このような域内利用のために、公害防除設備を備え、且つ容易に取り扱える汎用的な小型RDF燃焼ボイラーの導入が必要となる。
   そこで、安価で、簡便に取り扱える汎用的な小型RDF燃焼ボイラの開発が進むよう国においても支援策を講じられたい。
2  RDF燃焼後の灰処理・利用技術の開発について
   RDFの燃焼灰は、特別管理一般廃棄物の埋め立て基準値を満足するものであるが、リサイクル推進の面から、建設資材等の原料として利用されることが望ましい。
   灰処理の段階からダイオキシン類、重金属等の無害化処理と、有効利用を視野に入れた処理方法、有効利用技術の開発について、国においても御努力いただきたい。
   RDF利用社会においては、小規模に分散した、焼却灰の発生も想定され、広域的な適正処理が求められる。こうした広域処理体系の確立に向けた支援策の創設についてもお願いする。
3  公営電気事業者が行うRDF発電施設に対する補助制度の拡充について
   広域RDF発電事業は、RDFの適正・安定的消費施設として重要な役割を果たすことと考えられる。
   また、新たな環境負荷を生じない、国産の未利用エネルギーの開発という視点を有している。
   しかし、その建設・維持には、多くの費用を要し、事業として健全に経営を持続させるには、困難が想定される。
   このことが、広域RDF発電の推進に当たっての大きな課題となっている。
  RDF発電事業の担い手としては、広域的な廃棄物処理行政との連携の可能性、電気事業に対する知識と経験等から、公営電気事業者がこれにあたることが考えられる。
   そこで本事業の多方面にわたる社会的効用に鑑み、公営電気事業者が担いうるよう補助制度を拡充されたい。
4  RDF発電事業の売電価格を水力・地熱発電と同等の料金認可となるよう取り扱うことについて
   RDF発電事業は、燃料となるRDFを広域かつ分散した地域から集積するもので、運搬コスト、貯蔵コスト、立地地域住民の感情論等からスケールメリットを追求しきれない面を有し、電力価格としての市場競争力が極めて乏しく、競争原理の適用になじまない。
   また、RDF発電は、国産の未利用エネルギーであり、環境負荷軽減等、多様な社会的効用が期待される事業であり、競争原理の外枠議論として推進が図られるべき事業である。
   そこで、入札制度にはなじまないRDF発電の売電制度については、建設時における補助制度の拡充の外、水力・地熱発電と同等の料金認可となるよう取り扱われたい。
5  RDF発電施設に隣接して設置される市町村等の運営する施設への電力供給を認めることについて

RDF発電事業は、廃棄物の持つエネルギーを電力に代えてリサイクルしようとするものであり、資源循環型社会の構築と未利用エネルギーの活用に資する施策である。
   このような本事業の意義に鑑み、RDF発電施設とその燃料となるRDFを製造する市町村のRDF化施設やその他の公共施設が隣接する場合には、その機能面での密接なつながりを考慮し、発電施設からRDF化施設等への電力の供給を認められたい。
6  RDF発電施設立地市町村への交付金制度及び発電施設周辺整備に対する支援制度の創設について
   広域RDF発電所の、円滑な立地推進のため、立地市町村へのインセンティブが必要と考える。
   立地市町村に対して、水力・地熱発電と同様の電源立地促進対策交付金の交付対象施設とされるとともに、周辺整備事業に対しても支援制度を創設されたい。


(自治省関係)
1  RDF発電事業を地方公営電気事業者が担い得る事業とするための総合的な政策展開について
   RDF化及びRDF利用は、環境負荷軽減と未利用資源の有効活用を大きな目的としている。新たな環境負荷を生じないこと、相対的に化石燃料の使用が削減されることから、二酸化炭素削減効果があり、地球温暖化の防止にも役立つ施策でもある。
   このため、RDF利用社会は、本質的に広域行政としての側面を有しており、RDF発電事業の担い手としては、広域的な廃棄物処理行政との連携の可能性、電気事業に対する知識と経験等から、公営電気事業者がふさわしいと考えられる。
   しかし、この事業は、主に経済性の点、立地合意の点で、多くの障壁を抱えている。
   そこで本事業の多方面にわたる社会的効用に鑑み、地方公営電気事業者が担いうるよう総合的な政策展開を推進されたい。
   ・現在施設整備費の10%とされている一般会計から電気事業会計への出資割合を引き上げられたい。
   ・電気料金に占める資本費の低減を図るため、現在15年とされている電気事業債の償還期間を20年以上に延長されたい。 
   ・現在市町村等の廃棄物処理施設に対して交付されているものと同等の交付税措置を広域RDF発電施設に対しても講じられたい。