ラックスキット A505 プリアンプ
LUXKIT A505 Pre Amplifier

天板・側板は木製でコストダウンを計っている


使用球 12AX7 ×4本
12AU7 ×4本
EQアンプ構成 2段SRPP CR型
寸法 W289×D366×D125mm  重量 5.5kg
発売年 1980年 定価 59,800円(キット)

1. A505とは

LUXKITとしては最晩期に発売された管球式プリアンプキット。
「超・凝縮」シリーズと銘打って、C/Pの非常に高い(但しコストダウンも顕著である)製品をラインナップしていた内の1機種として登場。
但し、このアンプと組みになるパワーアンプは発売されていない。

2. 回路

大手メーカーの製品としては珍しく、全段SRPP・無帰還・CR型EQ回路となっている。
(自作記事やガレージメーカーキットには多く見られる回路構成)
無帰還のため、球の特性が一致していないと左右でゲイン差が生じるが、本機では最初からゲイン調整用の半固定VRが回路に組まれているため、組立マニュアルどおりに調整すればゲインバランスを取れる。勿論、球を交換した際には再調整が必要。
使用球は、12AX7と12AU7を各4本と豪華だが、これはトーンコン搭載のためフラットアンプをSRPP2段としているためである。
また、MCトランスを標準で内蔵しているのも、球アンプでは珍しいといえる。
通常の市販プリに付いている機能はほぼ網羅されているが、回路構成上残留ノイズはどうしても多めになるため、高感度のパワーアンプやスピーカーとの相性は悪い。

3. 構成

配線はスイッチ類や電源部まで含めてプリント基板。したがって、OHはかなりやりづらい。
構造上(木製筐体)内部に熱がこもりがちなので、オリジナルに拘らないのならば上板に通風孔を設ける等の改造を行った方が良い。

4. デザイン

幅が狭く奥行きが長い外観が特徴である。
また、パネル以外の本体部は木製(黒の化粧シート貼付)であるのも珍しい。
フロントパネルはさすがに近代的なデザインとなっているが、残念ながら高級感にはやや欠ける。

5. 現在の状況

管球式プリアンプとしてはかなり安価だが、人気もそこそこあるため、流通在庫はさほど多くない。
もともと安価なアンプでかつキット製品だったためか、細かいトラブルは結構多く、スイッチ・ボリュームのガリや、ランプ切れの物をよく見かけるので、購入時には必ずチェックすること。