4.ケース


4.1 材質・表面仕上げ


(1)GF:金(箔)貼りケース

KSファーストの大半、GSファーストのほぼ全数、44KSの初期の一部に採用。
全数ポコ型(非防水)ケース入り。

(2)SS:ステンレスケース

KSファーストの一部から採用(但しポコ型で非防水)。
以降の全機種で標準ケース(スクリューバックで日常生活防水)となっている。

(3)NSA(HSS):超硬ケース

56KS NSA(5626-5030)

56KSと45GS V.F.A.のみに採用。比較的珍しいケースである。
キズは殆どつかない代わりに、脆いために衝撃で割れることがある。

(4)SGP:金メッキケース

45KS SGP(45-7000)
通常のSSケースより若干高価だった

44KS、45KS、56KSで採用。特に45KSの現存数が多い。
金色のケースとしては安価な部類に入るので、GSには採用されていない。

(5)CAP GOLD:金(厚板)貼りケース

45KS CAP GOLD(45-8000)
KSのキャップゴールドは珍しい

4420KS、45KS、56KS、57GS、62GS、44GS、45GS、61GS、56GS、61GSスペシャルで採用。
金箔よりも厚い100〜300μm厚の金板を表面に貼っているため、傷ついても下地が見えることはまずない。
KS用としては最上級のケースで、45・56KSで初めて採用されたものの、GSとの差別化のため短期で製造中止となった。
したがってGSのキャップゴールドは比較的容易に見つかる(もちろんSSよりは遥かに少ない)のに対し、KSの方は非常に入手困難と言える。

別名「GC」だが、「CG」と呼ぶことはあまりない。
 「カップゴールド」と呼ばれることもあるが「CUP GOLD」は間違い。
 OMEGA等では「トップゴールド」と呼ぶことがある。

(6)18K:18金無垢ケース

天文台クロノメーター 18K(4520-8020)
ケース表面が槌打ち仕上げとなっている

当然GSのみの設定で、それも61GS以降の機種に限られる。
非常に高価なケースで、同じ中身のGSでも通常のSSと18Kでは価格比が3倍にも達した。
ちなみに天文台クロノメーターは全数とも本ケースとなっている。

(7)AAPC:パラジウム合金ケース

幻のケースで、61GS V.F.A.のみに採用。
ちなみに本ケース採用の61GS V.F.A.の定価(当時25万円)は、何と18K無垢の天文台クロノメーター(当時18万円)よりも高かった

(8)その他:プラチナ、チタン

GSファーストに、ごく少数のプラチナ無垢ケースが存在する。
また600mダイバーは唯一、チタンケース(全数)である。

 


4.2 形状


(9)ポコ型(非防水)ケース

KSファースト、GSファーストの全数と44KSの一部に採用。
大半は真鍮材にGFの仕様となっている。

(10)スクリューバックケース

44KS、57GS以降で標準となった、いわゆる日常生活防水レベルのケース。
現在の腕時計も大半はこの構造をとっている。

(11)ワンピースケース(56KS)

他機種と異なり、56KSのみ標準ケースは通常のスクリューバックでなく、裏蓋の開かないワンピースケースとなった(後年56KSのスクリューバックも多数製造されている)。
分解は文字盤側よりベゼル・風防・文字盤・リューズの順に外して行なう。
通常ケースと比べ防水性に優れ、この点からも56KSは日常使用に適しているといえる。

(12)ワンピースケース(52KS)

52KS(5246-6000)

52KSクロノメーターのワンピースケースで、56KS用とは異なりひと目でそれと判るケース形状となっている。

(13)角型ケース(56GS/KS)

56KS(5626-5010)

56KS/GSのみ、角型ケース(それも2種類以上)が存在する。56の中では比較的珍しい部類だが、プレミアムがつくには至っていない。
またバナックでは56KS・52KSとも角型ケースが存在している。

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