喫煙と慢性肺閉塞肺疾患(COPD)について

1、COPDとは
COPDは、「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれ、慢性気管支炎と肺気腫症を総称した病名です。
我が国では、40歳以上の8.5%がCOPD患者であるといわれています。米国ではCOPDが
死因の第4位です。我国は喫煙率が高いので、COPDの増加が予想されます。
喫煙により気管支や肺胞など、肺の組織に慢性的な炎症が生じ、気管支炎、肺胞の破壊が
起こる病気です。ゆっくりと進行し、やがては労作性呼吸困難をきたします。
その原因の90%以上は喫煙です。
長期間タバコを喫っている人の約20%が、定年の頃になると咳きや痰の量が増え、階段を
登るのに息苦しくなります(下図)。COPDは、肺機能検査(スパイロメトリー)で、1秒率の
低下(70%以下)として捉えることができます。
また、タバコは、肺癌の大きな原因の一つです。欧米や我国で、肺癌検診が肺癌による
死亡率を低下させないとのデータが報告されています。タバコを止めるのが一番の肺癌の
予防法です。

左図は、正常の細気管支と肺胞です。
右図は、
COPDで、気管支の慢性炎症と 肺胞に破壊と融合がおこり、肺気腫となります。



喫煙により加齢と共に肺機能低下(黒の曲線)が加速されるが、禁煙をすると機能低下が止まる(ピンクの曲線)
一日20本以上タバコをすう人は、早い時期にたばこを止めましょう。
その時点で肺の崩壊を防ぐことができます。
長期の喫煙により、挿入写真のように肺胞が破壊され融合して大きくなり、肺気腫となり、
弾力性のない肺になります。このために、吸った空気を1秒間にはき出せる量(1秒率)が減少します。

Christmas et al, 1994. 画像は、www.menet.gr.jp/kin-en/Illness/kokyu.htmlより



2、肺年齢
肺機能を1秒量や1秒率で表すと分かりにくいので、肺年齢という概念が出されました。
以下の入力ボックスに各自のデータを入力して、肺年齢を計算してみて下さい。

あなたの肺年齢を計算します。

男性     女性
数字は半角で入力して下さい。
身長(cm)
年齢
努力肺活量(L)
1秒量(L) [計算]をクリックして下さい。



3、タバコを止める方法
禁煙に成功した人間ドック受診者に止める方法を聞きました。
1)思い立って苦もなく止められた。大部分の方はこの方法です。
2)入院や風邪などの病気をきっかけに止めた。
3)吸い殻や残っているタバコを水に浸け、吸えないようにした。
4)ニコチンの少ないタバコに順次置き換えていった。
5)本数を順次減らしていった。
6)タバコを止めると周囲に宣言し、有言実行した。
7)数人の仲間と一緒に禁煙を開始した。

結論:自分で止めると決意し、禁煙のために独自の工夫をしなければ止めることが出来ません。
    また、6ヶ月間以上の禁煙を続けないと体からニコチンが抜けません。
    禁煙期間中は、仲間とのアルコールを飲む機会を減らすことも大切です。
    チェーンスモーカーは、行動と行動の間(ま)の取り方が下手です。
     間について一度考えてみましょう。

禁煙の効果:家の中がきれいになり、独特の臭いがなくなり、家族に大変喜ばれます。
        空咳や痰が出なくなり、口から肺に至る経路のネバネバ感がなくなります。
        なんと言っても、肺癌や他の癌疾患の予防になります。

(2008/10/1 revised)