●短歌をよむ/俵 万智/岩波新書/2001.3.10

「人を感動させるというよりも、人を感心させる技」…「何を」はひとまず置いといて「どう」歌うかで腕を競い合う、それが歌合なのである、と俵さんが話す。ふと思った。僕は、絵を描きたいと思うけれど、人を感心させる技を目指しているんとちゃうかな、と。それでは、いかんなと思う。

 短歌はわからない。5・7・5・7・7で感動を伝える。なぜ? しかし、いいか。伝えられなければ、作らなければいい。言葉探しは、勉強になるし、「竹林に目まいのような蝉の声聞きおり我は一本の竹」というような俵さんの短歌には心がふるえる。僕は自由律俳句という、尾崎放哉の俳句が好きなのだけれど。