わたしたちはどこから来てどこへ行くのか?/佐倉 統・木野鳥乎/ブロンズ新社
ふと不安にとりつかれる―自分って何だろう?
なぜわたしは、今、ここにいるのだろうか?
人が生きる理由
自分が死んだらどうなるのか?
死後の世界
仲間を守る、自分を守る
誰が仲間か?
よそ者は誰だ?
喜怒哀楽―感情ってなぜあるの?
自分を表現したい!
知ること、表現すること、伝えること
なぜいろいろなことを考えるのか?
神さまは願いを聞いてくれるのでしょうか?
遺伝子と環境のヅレ
好奇心からすべては始まる
遺伝子とミームの共進化
といった目次にひかれて、図書館で借りた。
もう人生の半分は過ぎて、なぜ生きるのかといった疑問は遠い思い出になり、つまりはわからないということで、どう生きるかが問題だと思ったりしてきた。
人間は遺伝子のカプセルと思っていたけれど、この本を読んで、それだけでなく「文化の生き物としてミーム(文化的情報)を残すためにも生きている」という指摘はなるほどなと思った。
「生命の起源は40億年前です。・・・40億年間、生命の遺伝子はいつもいつも自分たちの子孫を残してきました。その40億年目の生命体のひとつが、ほかならぬあなたなのです。」という言葉にも納得がいった。
「死を考えるときに一番気楽なのは、自分にとって、自分の死は存在しないと割り切っちゃうことです。だって死んだときには自分はいないのだから・・・。」「自分が死んでも何も起こらない。でも、あなたの「なごり」はいつまでも残る。この『なごり』こそ、ミームにほかならない、という著者の言葉にこれまた、なるほどなと思った。
「仲間と協力すること。これは、裏返していえば、仲間以外を排斥することと同じです。」という言葉にも、選ぶという行為はその他を捨てる行為と思っている僕には納得がいきそうだ。最近は折り合いをつけるということも人間にはできるかなと思ってきたので、考えが変わってきたのだけれど。それに、仲間の範囲は変化する。グループ分けのために違いを見つけ、自分たちのグループの利益を守ろうとするのではなく、地球人仲間として生きられればと思う。