私の脳科学講座 利根川進著 岩波新書
利根川博士は、遺伝子の研究でノーベル賞を受賞した。その研究もこの著書の前半で披露されているが、良くわからなかった。後半の「科学者とは、科学研究とは」について思ったことを書きたい。
利根川博士は「非常に楽観的な人がサイエンスに向いている。それからプライオリティ(優先事項)がしっかりしていること。これは重要です。」という。僕は、非常に楽観的だから、科学者に向いているかもしれないが、優先事項がまったくしっかりしていないので、科学者は無理なようだ。しかも、利根川博士は、「まわりの意見をあまりかんたんに受け入れてしまうような人は、科学者には向かないでしょう。自分で考えることが本当に好きじゃないと、いい科学者にはなれません。」と言うから、ますます、僕は科学者に向いていない。すぐに、人の言うことを信じる傾向にある。子どもの時からなので、筋金入りといえる。
ただ、救われたのは、「人生はおもしろく生きないといけないという価値観を至上において、リスクを負いながら自分の道を切り開いていく。そういう人が、何かをやり遂げると思います。」と言ってくれた言葉だ。リスクを負いながら・・・というのが、ひっかかるので、何かをやりとげる・・・というのは無理みたいだ。ということは、救われたのは、「人生はおもしろく生きないといけないという価値観を至上において」・・・の部分ということになる。これでは、利根川博士の真意から大きく離れることになる。
科学者にはなれそうにないが、利根川博士の科学的なものの見方や、現在、博士が研究している脳の働きなど、興味は尽きない。なにせ、自分にもあるもの(脳)の研究だから、身近に感じる。研究はできないが、研究結果をわかりやすく教えて欲しい。
《戻る》