「音楽と生命」坂本龍一 福岡伸一 集英社 20250107
福岡伸一さんが好きなので、図書館で借りて読んだ。8割がた、難しくてわからなかった。私なりに理解したのは、@周りのことを認識するのは、生物によってそれぞれであること。A人がまわりを認識するのは、一部であり、周りそのものが認識されずにあること。B人が認識できたこと(言語化出来たこと)が、周りそのものと勘違いしていることが多いこと。C周りそのものを表現することは、難しいが、それをやろうとしている人はいること。D生物は止まっているのではなく、動き、入れ替わっている。生物学は、絶えず交換される流れの中で「動的平衡」として理解したいというのが、福岡伸一氏のテーマ。E音楽は、枠にはめられたものだけではなく、自然界の音も含めて音楽として楽しみたいというのが、坂本龍一氏の音楽追求の立場。
私は、二人の天才が語り合う空間の外で、ぼんやりとながめるしかできない。それでも、命は限られており、生きる場は、譲っていかなければなりません、というお二人の立場は、了解できるものでした。お二人の個々の業績は引き継がれることは難しいでしょうが、その存在は、輝いています。私がどう社会を認識し、働きかけていくかはお二人の足元にも及びませんが、歩いていくうえで、とても刺激になる対談でした。そして、一つの山に登ると、新しい景色が見えることを胸に抱いて、これからの時間を過ごしたいと思います。