戦後の見直しと戦前の始まり−06.05.29

 「医療改悪」「国民投票法案」「教育基本法改悪案」「共謀罪法案」これらの法案を与党は今の国会で通そうとしている。

どれも、戦後の民主主義を根底からひっくりかえす内容だ。戦後の民主主義が本物かどうか、試されていると思う。民主主義の世の中で育った国民の力が試されていると思う。

日本の戦後は、深い反省のないまま、経済成長の波の乗ってここまできたのだと思う。

もちろん、極東裁判で戦争責任により処刑されたり、個人的に戦争に協力した罪の思いで自殺を図った人は多い。しかし、国家として深く反省したことがあっただろうか。天皇の戦争責任をあいまいにしたまま、生き延びた戦争推進者は、自らの存在意義を、戦争の美化に求めて、戦後の見直しを図ろうとしている。                

それは、戦後の民主主義の否定につながっている。彼らは人権を侵害しながら、民主主義の不徹底さからくる問題を、戦後の民主主義が原因であるように宣伝し、物言わぬ大衆をつくろうとしている。

私たちは、試されている。歴史の流れに試されている。私たちを育んだ民主主義が私たちの血となっているか、肉となっているか。

敵は巨大なのか、張りぼてではないのか。しっかり目を開いて真実を見ようと教えられてきたのではなかったか。

与党とそれを支え、利用する人たちは、戦後の民主主義を見直し、否定しようとしている。それは、戦争準備の道であり、戦前の始まりだ。

今の世に水戸黄門はいない。待っていても現れない。私たちが立ち上がる。憲法という紋所を一人一人が差し出しながら。