指先の勇気−06.06.13−
毎日の通勤にJRを利用している。以前は、車を使っていたことがあるが、大きな事故をしたので、特に必要がある場合を除いて車通勤はやめている。それに、車だと、気軽に赤ちょうちんに寄れない。
途中の駅で、全盲の女性が白い杖を頼りに、乗ってこられる。そして、その人は、ドアに近い座席に人が座っているか、そっと指先を伸ばしてみる。指先に触れるものがなければ、ゆっくりと座席に座る。指先に触れるものがあれば、指先をひいて、ドアのそばに立っている。そんなときは、近くの人が空いている席に案内したり、席を代わってあげたりしている。
私も、案内をしてあげたことが1度だけある。
その人の毎日の様子をながめながら、その人の毎日の勇気を思う。指先を伸ばして触れるものがあるかどうか、その毎日の指先の勇気を思う。
もう当たり前なのかもしれないし、あの人の日常にはもっと勇気のいることがあるのかもしれない。
私は、毎日、勇気について教えてもらっている。