有元利夫さんの世界−06.09.30−
滋賀県にある佐川美術館で有元利夫さんの絵や彫刻を見た。たまたまだったし、そもそも、有元利夫さんという画家の名前も知らなかったのだが、絵を見て、いい絵だと思った。安らぎと希望を与えてくれる感じがした。押し付けでない表現が気持ちと心を楽しくさせてくれる。
絵を見ながら、これは、有元さん自身だな、と思った。自画像を描いているのだと思った。
彫刻も良かった。形をまねるのではなく、内容を探そうとしている気持ちがあった。
人は、食欲や性欲と同じように絵や音楽に接したいと欲するらしい。つまり、絵や音楽なしには人間でいられない、ということだ。
彫刻家の佐藤忠良さんは、「藝術は必要無駄」といっておられるが、「必要不可欠」では、ないだろうか。人が人でいるために、芸術は必要不可欠なのだと思う。
絶えず変わっていく自然や外界のなかにいて、色や形や音色をとどめておきたい、と欲する気持ちが芸術なのではないかな、と思う。