賢い主婦 −06.11.21

以前、といっても2週間ほど前に、テレビかラジオで「賢い主婦は賞味期限の近づいた食品を買っていく」と聞いた。何気なく聞いて、「ちがうやろ」と思った。別に主婦でなくてもいいのだが、賢い消費者は、賞味期限が先の新鮮な食品を買うやろ、と思った。事実、そんなに賢くない消費者の私でも、手前においてあるのは賞味期限が近づいた食品で、奥に賞味期限が先のものを置いてあることを知っている。だから、新鮮なものを買うために、奥の食品の賞味期限を確認したりする。

昨日もそうして、菓子パンを確認しながら、ふと思った。みんながそうすれば、どうなるか。                       そう、手前の賞味期限が近いものは、買い手がなくて賞味期限が切れて捨てられる。 

そうか、と思った。

賞味期限が近づいているものを、賞味期限が切れる前に買って、食べる。これが、賢い主婦なのだ、と思った。

そう思ってみると、いろいろ、自分がよければそれで良い、と思って選択している場合が多いことに気づく。少し、賢くなった。

今、読んでいる本に「愚か者の勇気は野蛮なだけであり、勇気のない賢さは屁にもならない」という言葉が紹介されている。児童文学者のエーリッヒ・ケストナーが「飛ぶ教室」という本に書いているらしい。賢い主婦の話とはまた違うが、これも、今の社会を見る大事な見方だと思う。