そのホテル(アメリカにある)のサービスは、個人の期待を満足させるサービスを提供するという考え方(理念)で運営されていた。当たり前といえばそうだが、僕も、医療分野というサービス業に身をおくものとして、それは、実は難しいことを知っている。サービスを提供する側の都合で仕事が進んでいることが多い。そして、なかなか工夫ができない。今年の新入職員研修で、僕は、患者さんや地域の方が入会されている「共同組織」の説明をした。そのとき、新入職員の方に、「誰のために、何のために仕事をしているのか、自分はここにいるのかを考えながら仕事をしてほしい」と話した。僕は、そう話しながら、患者さんや利用者の方のために仕事をしてほしいと思っていた。この、ホテルサービスの番組を見て、何のためにという問いに一歩進んだ答えをもらった。それは、「患者さんや利用者の方々の満足を提供するために仕事をする」ということだ。患者さんや利用者の方のためにしているという働く側の自己満足ではなく、患者さんや利用者の満足を提供するということ。そのためには、自分の都合もポリシーも脇に置く必要があるだろう。誰のために、何のために仕事をするかである。