富美子おばあちゃんの短歌コーナー

 

蒼穹(あおぞら)に 弓矢放ちて新成人 腕を試す 新世紀なれ

負くること また然りとす家康の 遺訓を継いで 余生往くとも

                           平成13年2月

 

歳忘れ 返す腕の舞扇 明くればひとつ 重ねるを識る

彩(いろ)なせる 織物のごと 紅葉の 川面に映る谷道を行く           

                          平成13年1月

うち揃ひ 社に立ちて新玉のみくじ引く娘の晴れ着も揺れて

紅葉の山路たどりて滝の音のふかく沁み入る岩群にたつ

磯の香もまだ含みなき稚魚つりて憩う小舟に童心の満つ
                         平成12年