白露もこぼさぬ萩のうねり哉

        元禄六年(一六九三)五十歳の作である

 

句意

 

 美しい花をつけ、露をいっぱいためた細長い萩の枝が、秋風に微かにうねり

ながらも、その露も落さずに咲いている。

 

 

 杉風の採荼庵の垣根の嘱目吟であり、「白露もこぼさぬ」で萩のしなやかに

ねるさまが繊細に描き出されている。

 

 

四日市市朝日町 村山邸