ほととぎす消え行く方や島ひとつ

      元禄一年(一六八八)四十五歳の作である

 

句意

 時鳥が鳴きながら飛び去ってゆく、そのはるかな沖合に、島影がひとつぽつ

んと夢のようにうかんでいる。

 

 

 鉄拐山(兵庫県須磨区)からの海上の眺望といわれている。

「島一つ」で広々とした穏やかな海上の風景が表されている。

鉄拐山から見おろす「島一つ」は淡路島と思われるが、実在の島と限定する必

要もない。

 

 

鳥羽市鳥羽三 金胎寺