貝増卓袋
一声は柘植の在所へほととぎす
句意
 ほととぎすよ、啼く音の一声は柘植の里へも聞かしてくれよ。そこは翁の先祖の眠っている処ではないか。柘植の里も忘れないでおくれ。
 卓袋は貝増市兵衛と言う豪商で、泊屋(かせや)といった。服部土芳の親友の一人で、芭蕉が大阪の宿で永眠した時、急遽宿(花屋)にかけつけたが、既に遺骸は膳所に運ばれた後で復その跡を慕い、かくて義仲寺での初七日の追悼句会にも出席したことが記録されている。
伊賀町上柘植 萬寿寺
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