山岸半残
汗かきの氏子あまたや祇園の會
句意
この陽夫多神社の祇園祭はいろんな神事があり、多くの氏子が集まって汗を
いっぱいかきながら行っていることよ。
「願之山踊り」では、各字氏子中から奉納された七基の高さ三十五mの大幟
が立てられた境内で、屋形「願之山」に積まれた和太鼓を氏子の青年たちが勇
壮ないでたちで打ち鳴らし、踊りながら境内を練り歩く。また男子の子供たち
も太鼓をたたいて踊りを奉納する。
半残が元禄九年から十五年にかけて伊賀七十八の名所を選び、「伊賀名所句集」
を編述した。その中に陽夫多神社の祇園祭を詠んだこの句が入集している。