Vol.4
パウロ・フレイレ(1921〜1997)
ブラジルの教育学者。子ども時代に飢餓を経験し、
「社会階級と知識の関係」を知る。中学校の教師として活動を開始し、教育文化局で働きながら民衆と
対話の中から「抑圧され、搾取され、文字を奪われててきた人々を、社会の底辺に埋没させてきたものが
『沈黙の文化』であることを発見する。それを教育によって克服するため、抑圧された民衆と対話をくり返し、共に社会的状況を変えるために民衆自身が変革していく過程を「意識化」と呼んだ。
「民衆文化運動」を組織し、識字運動を展開する。
1964年、軍事クーデターにより国外追放。16年間の亡命生活の後帰国。
この間「被抑圧者の教育学」「伝達か対話か?」「自由のための文化行動」
などを執筆。1989年から2年半、サンパウロ市の教育長を務める。教育の
民主化と質の転換をすすめ、学校に「父母の会」「生徒会」「学校評議会」
などの組織創設を提案する。

「人間として生きることは、他者ならびに世界との関係を引き受けて生きるこ
とである」
「変化は可能だ!教育者は歴史を可能性として理解しながら、教育を可能
性としてとらえることが重要だ。なぜなら、教育もまた根本的に歴史的なもの
だから・・・・」
「教育とは、未完成な人間が、未完成な世界に批判的に介在し、世界を
変革(解放)することを通して自らを変革(解放)し続ける終わりのない過程
である」
         (参考:亜紀書房「被抑圧者の教育学」「フレイレを読む」)
パウロ・フレイレ