1. 無意識の中の殺人
「おまえは殺人を犯している。」と言われれば、誰もが「そんな人殺しなんか怖くてとても・・・」と言うと思います。けれども障害を持つ子の親は、一度は死を考えたと言い、本当に自殺してしまった人もいます。そんな人たちすべてがそうとは言えないけれど、多くの人は、世間の偏見や噂に悩まされてのことではないでしょうか。
その偏見とか噂とかいう無理解な周囲の目が、どれほど障害者を苦しめ、その家族を苦しめているのか考えた事があるでしょうか。
恥ずかしいことですが、僕自身も彼等を差別している側の一人です。どうしても抜け出すことができません。けれども、偏見はもたんとこ、そして、彼等をかわいそうやと思わんとこ、同情なんかしやんとこ、と思っています。
友達にも、かわいそうとは思うけど・・・同情はするねんけど・・・という人がいたけれど、それにも間違いがないでしょうか。
その言葉のなかにも、障害を持っていない者のおごりが、含まれていないでしょうか。
無意識に投げられた石で傷つき、命をおとす。これほど恐ろしい殺し方もありません。
国が悪いとか家族が悪いとか、言っていられません。もっと身近な、自分の口から出る言葉を殺人の凶器にしてはいないでしょうか。
一度考えてみて下さい。