初桜折りしもけふは能日なり | ||||||||
貞享五年(一六八八)四十五歳の作である | ||||||||
句意 | ||||||||
その年の初桜がちらほらと花を見せている。折しも今日はうらゝとよく晴れた好い日であり、まことに初桜にふさわしい日和である。 | ||||||||
「薬師寺月並初会」という前詞がある。 薬師寺は隅の坊とともに上野天神宮の境内にあった寺院であり、宮別当としては別に密乗院、威徳院、梅松院などがあったが今はすっかりその跡かたもなくなっている。そして上野天神宮は芭蕉が宗房となのっていた頃、処女作「貝おほひ」を二十八歳のとき奉納した由緒ある神社であることを考えると、翁の胸にはどのような想いが去来したのであろうか。 | ||||||||
句碑 | ||||||||
上野市東町 上野天神宮 | ||||||||
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