蛇くふときけばおそろし雉の声
  元禄三年(一六九十)四十七歳の作である
句意
 雉子という鳥はあのように美しい姿を持っている鳥でありながら、また一面には蛇を食う恐ろしい鳥でもあると聞くと、可憐ななかにも何だか恐ろしいものを感じる。
 「かくて三月も過ぎやうとする頃、芭蕉翁は又も旅仕度をして赤坂の半左衛門の家を出て行った。御斎峠を越えて江州信楽への京街道を大津へ向ったのである。この峠越えの山中で、この句を詠じて途中から兄の許へ託したといふ」とある。
上野市西山 新居小学校分教場跡
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