やまざとはまんざい遅し梅の花
   元禄四年(一六九一)四十八歳の作である
句意
 山里ののんびりした趣を詠った句である。都ならば正月早々とっくに廻ってくる万歳も、ここら山里では実に遅く今ごろやって来ている。ちょうど今梅の花が咲き誇っている。
 「三冊子」に「発句の事は行きて帰る心の味なり。たとへば山里は万歳おそし梅の花といふ類なり。山里は万歳おそしといひ放して、むめは咲けるといふ心の如くに行きて帰るの心発句なり」とある。
上野市丸の内 上野公園入
MENU MENU1