君火をたけよきもの見せむゆきまろげ
貞享三年(一六八六)四十三歳の作である
句意
 門弟の曽良に対して呼びかけている句である。「よく来てくれた、寒かったろうね、どんどん爈に火をくべて君はあたっていてくれ。いいものをこしらえてお目にかけよう、雪まろげをね」。そのもてなしの気持ちに風雅の心がこもっている。
「雪まろげ」は雪をころがして丸いかたまりにする子供の遊びであった。                                    このころ江戸深川の近辺に住み、芭蕉庵に出入りした数人の門弟たちがおり、曽良はそのうちの一人であった。
 上野市 くれは水辺公園
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