影待や菊の香のする豆腐串
元禄六年(一六九三)五十歳の作である
句意
 影待の行事に招かれて、美味しい串豆腐(豆腐の味噌田楽)を頂いていると、何処からともなく上品な菊の香が漂ってきた。
 江戸の岱水亭にて、影待の行事に招かれた時の作である。             芭蕉はこの年の夏にも岱水亭に招かれて「雨折々思ふことなき早苗哉」と詠んでいる。この時は雨だったので岱水は影待に、再度芭蕉を招いたのであろう。
上野市 くれは水辺公園
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