服部土芳 | ||||||||
打ならび月みるやうな森二つ | ||||||||
元禄十一年(一六九八) 四十二歳の作である | ||||||||
句意 | ||||||||
上野へ帰ってくる途中夕暮れとなり、ちょうど十六夜(いざよい)の月がはなやかに昇って垂園森と哀園森との間に顔を出してきた。この二つの森の間からさしのぼる月を見ていると、森も今宵の月を肩よせあって眺めているように思える。 | ||||||||
八月十五夜の観月を兼好塚ですごした土芳は、翌日牛をかりて高尾にある千方窟(豪族藤原千方の岩城跡)を見て、上野に帰る途中市部の里に立寄った。 この里にある「垂園森」と「哀園森」は、清少納言の「枕草子」に出てくる歌枕の地である。 | ||||||||
句碑 | ||||||||
上野市市部 垂園森 | ||||||||
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