隠れ家や月と菊とに田三反
元禄二年(一六八九)四十六歳の作である
句意
この隠れ家は月を賞でるによく、庭前には菊を植えて、その上、田も三反ほ
どあって、風流にも自活にも事欠かない、まことによい住まいだ。
前詞に「木因(ぼくいん)亭」とあり、大垣の木因の別荘に招かれた折の挨拶吟である。
「三反」は田としてはささやかな面積で、簡素な隠棲の様子がわかる。
そして一休禅師の作と伝える「山居せば上田三反味噌八斗小者一人に水の良き
所」によるといわれている。
句碑
大垣市船町 住吉公園
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