有難や雪を薫らす南谷      

元禄二年(一六八九)四十六歳の作である

句意

 

 霊場羽黒山のこの南谷は、千古の雪を頂く囲りの山々から涼を運んで、薫風

さわやかに吹きわたる、まことに心澄むありがたいお山である。

 

 

 「薫らす南谷」に「南薫」(夏の涼風)の意をこめて、霊場の清涼感を讃えた。

 

羽黒山の本坊若王院での、亭主会覚への挨拶の発句である。

 

なお羽黒山は古代以来の山伏修験道の霊場で、月山、湯殿山とともに出羽三山

という。

 

句碑

 

大垣市船町 水門川沿街路

 

 

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