暑き日を海に入れたり最上川      

元禄二年(一六八九)四十六歳の作である

句意

 

 最大の大河が滔々と海に流れこむさまは、まことに涼感にあふれて、この川

が、

暑かった今日一日を海に流し入れたかのようだ。はるか沖合を見ると、今まさ

に真赤な夕日が波間に沈もうとしている。

 

 

 最上川が暑い一日を海に流し入れる意と、最上川自体が海に注ぐ意と、両意

を表す文構造である。

 

最上川を擬人的に、能動的に捉えて、日没の日本海の晩景をダイナミックに表

現している。

 

句碑

 

大垣市船町 水門川沿街路

 

 

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