庭掃いて出でばや寺に散る柳      

元禄二年(一六八九)四十六歳の作である

句意

 

 今朝この寺を辞そうと寺を出る折しも、柳の葉がはらはらと散り落ちる。そ

れでは一宿のご恩返しに、この落葉を一掃き掃き清めてゆくとしよう。

 

 

加賀市の大聖寺場外の全昌寺に泊った翌朝、出立のまぎわに「若き僧ども紙、

硯をかかえ、階のもとまで追い来。折節庭の柳散れば」とある。

 

寺に泊れば寝所など清掃して去る雲水の作法をふまえた即興吟である。

 

句碑

 

大垣市船町 水門川沿街路

 

 

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