六月や峰に雲置く嵐山
元禄七年(一六九五)五十一歳の作である
句意
炎天の六月、深緑鬱蒼たる嵐山の山頂に、雄大な入道雲がどっかりと居座っ
て動かず、万象寂として静まり返っている。
「嵯峨」との前詞があり、落柿舎滞在中の作である。
「三冊子」では「雲置く嵐山」の表現に骨折ったと伝えている。
豪快で男性的な盛夏の気分を格調高く形象した秀吟である。
句碑
右京区嵯峨嵐山 大悲閣
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