馬ぼくぼくわれを絵に見る夏野哉
天和三年(一六八三)四十歳の作である
句意
自分の乗った馬が、草深く茂る日盛りの夏野をのろのろと行く。その遅々と
して動くともないさまはまさに一幅の絵であり、われとわが身を画中に見る思
いである。
自分の馬上姿を客観的に眺め、夏野の旅の趣をよく捉えている。「ぼくぼく」
はのろのろ歩くさまで、俳諧的俗語である。
吉野郡下市町 中央公園
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