葛の葉の(おもて)見せけり今朝の霜      

元禄四年(一六九一)四十八歳の作である

句意

 

 葛の葉は、古来もっぱら白い葉裏の風に翻るさまが詠み習わされているが、

今朝は霜が一面に置きわたして、珍しく葉面を白く見せている。

 

 

 去来は、俳諧の目で葛の葉の面に新しい見所を発見した佳作と評し(「旅寝

論」)、野坡は、一度背いた嵐雪が詫びを入れて来た時、恨み(裏見)を捨てて

面を見せるとの意を寓した作と伝えられている(「許野消息」)

 

句碑

 

和泉市葛の葉町 稲荷神社

 

 

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