春もやや気色ととのふ月と梅
元禄六年(一六九三)五十歳の作である
句意
月は朧に霞み、梅は花をほころばせて、春もようやくその気配を調えてきた
ようだ。
厳しい冬が過ぎ、徐々に春めいてくる早春の情趣を、月と梅の取り合せで描
き出している。画賛句として芭蕉が好んだ句作である。
北区天神橋3 小野氏邸
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