白菊の目に立てて見る塵もなし      

元禄七年(一六九四)五十一歳の作である

 

句意

 

 白菊の花は心から純白で、よく目をこらして見ても一片の塵もない清らかさ

をもっている。

 

 

斯波園女亭での九吟歌仙で、眼前の白菊に託して女主人の清楚な人柄を讃え

た挨拶句である。

 

西行の「曇りなき鏡の上にゐる塵を目に立てて見る世と思はばや」をふまえて、

白菊の清浄純白の美が把握されている。「白菊の」は「白菊や」を柔らげて余情

を醸す俳句独特の手法である。

 

句碑

 

北区太融寺町 太融寺

 

 

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