まず頼む椎の木もあり夏木立
元禄三年(一六九十)四十七歳の作である
句意
長い漂泊の末にしばしの安住を求めてこの山庵に入ってみると、傍らの夏木
立の中に大きな椎の木もあり、身を寄せ心を安んずるにはまことに頼もしく、
まずは何はともあれほっとする心境である。
「石山の奥、幻住庵に入りて」との前詞がある。
「幻住庵記」に奥の細道の長旅で辛苦をなめた果てに、「卯月の初め、いとかり
そめに入りし山の、やがて出でじと思い染みぬ・・・」とこの山庵に入った次
第を記して、文尾にこの句が掲げられている。
大津市国分 幻住庵 高島町 妙楽寺
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