かくれけり師走の海のかいつぶり
元禄三年(一六九十)四十七歳の作である
句意
湖上に浮かんでいたかいつぶりが、突然ふいと水に潜って姿を消してしまっ
た。あとはただ師走の湖水が寒々と静まっている。
かいつぶりは水中の獲物を捕食する時、一瞬すばやく水に潜って姿を消すの
が習性であり、その特有の動作が上五にいきなり「かくれけり」と置いた表
現で、生き生きと捉えられている。
隠れ方の俊敏さに、師走の繁忙から隠れるのかと、ふと興ずる心が動いている。
草津市矢橋 帰帆島
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