辛崎の松は花より朧にて
貞享二年(一六八五)四十二歳の作である
句意
湖水一面朧に霞みわたる中、湖岸の辛崎の松は背後の山の桜よりさらに朧で
風情が深いものだ。
「かな」などの切字を用いず、湖水朦朧とした実感をだすのに「にて」と和
らげて巧みに余情の効果を出している。詩的開眼につながる一句である。
「辛崎の松」は辛崎の一つ松で歌枕であり、琵琶湖の西岸、大津の北四キロに
あって、近江八景の一つである。
「花」は具体的には古歌に名高い長良山の山桜である。
大津市堅田 本福寺 大津市唐崎 唐崎神社
大津市神宮町 近江神宮
MENU MENU7