躑躅生けてその陰に干鱈割く女      

貞享二年(一六八五)四十二歳の作である

 

句意

 

 鄙びた街道筋の茶店。近くの山で折ってきたらしい躑躅を無造作に手桶に生

けて、その傍らで女は客膳の菜にと干鱈をむしっている。

 

 

「昼の休ひとて旅店に腰を懸けて」との前詞がある。

「干鱈割く女」に俳諧的通俗の味が濃厚に出ている。

 

 

甲賀郡石部町石部 真明寺

 

 

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