夏草や兵どもが夢の跡

元禄二年(一六八九)四十六歳の作である

 

句意

 

 その昔、主君義経を守って奮戦した勇士らの功名も、悠久の歴史の中で一場

の夢と化し、古戦場は今ただ茫々の夏草が深く生い茂るばかりだ。

 

 

 「奥州高館にて」との前詞がある。

藤原秀衛が義経のために築いた平泉の居館があり、秀衛没後、その嫡子泰衛の

裏切りによって、弁慶以下側近の武士は玉砕し、義経は自刃したといわれて

る。 

 

茫々たる夏草が悲劇の歴史の夢幻感をかきたてている。

 

 

余呉町大岩山 余呉湖東畔

 

 

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