月さびよ明智が妻の咄せん
元禄二年(一六八九)四十六歳の作である
句意
寂しい月明りのもとで、あの明智光秀の妻の昔話をしてあげよう。あなたの
その心掛けは、将来必ず報いられる日が来ますよ。
貧しい夫又玄と心を一つにして、かいがいしく芭蕉の摂待に努めている、少
女のような若妻のけなげさに感動して詠んだものである。
寂しい月明りと明智の妻の昔話との間に、感覚的に深く響き合うものがあり、
効果的な雰囲気をかもし出している。
大津市坂本 西教寺
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