そのままよ月もたのまじ伊吹山
元禄二年(一六八九)四十六歳の作である
句意
毅然として聳え立つ秀峰伊吹山は、月が出て風情を添える必要もない。ただ
毅然として飾らぬそのままの姿で十分に美しい。
「戸を開けば西に山あり、伊吹といふ。花にもよらず、雪にもよらず、ただこ
れ孤山の徳あり」との前詞がある。
前書の「花」「雪」を受けて句中に当季の「月」を出した趣向である。
大垣藩士、高岡斜嶺亭で、土地への挨拶をこめて詠んだものである。
坂田郡山東町朝日 観音寺
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