うらやまし浮世の北の山桜
元禄五年(一六九二)四十九歳の作である
句意
浮世の外と思わせる朔北の幽邃境に山桜が絢爛と咲き誇っている。そんな光
景も思いやられて、あなたの境涯(きょうがい)がつくづくうらやましく思われる。
金沢の卯辰山に隠棲していた門人の、句空に求められて詠み送ったものであ
る。
「浮世の北」とは浮世を遠く離れた北国のことである。
大津市国分 幻住庵遊歩道
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